赤鼻テングはまたごさくを抱きかかえると、今度は、宿屋や店がずっと並んでいる町へやってきました。赤鼻テングはその中で一番大きい家の広い庭のある木の上におりると、
「ごさく、お前はここで待っておれ。」
と言い残し、その家の中に入っていきました。ごさくが木の枝に座って待っていると、赤鼻テングはニタッと笑いながら出てきて、
「もうすぐ火事になるぞ」
と言い、ごさくを抱きかかえ、村のはずれの寺の屋根の上につれていきました。