赤鼻テングはそんなごさくの様子を見て、ケタケタ笑いながら、天にむかってうちわをあげ、もう一度雲を呼びました。そして、ごさくを抱きかかえると、
「ごさく、目をかたくつぶれ。目をあけてはならんぞ。」
と言って飛び立ち、山をこえ、野をこえ、こんどは静かな村にやって来ました。