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そのうち、火がだんだん大きくなって、大火事になりました。
「火事や!火事やぁ!」
「大火事やでぇ!」
突然の火事に驚いて、村の人たちはおろおろしています。家がぎっしり続いているので、メラメラと燃えさかる火は次から次へと家へ移っていき、真っ赤に焼けた家が崩れ落ち、そこら一面が火の海になってしまいました。
そしてとうとうごさくのいる寺のほうまで火の粉が飛んできて、顔がカッカとあつくなってきました。ごさくは怖くなって、
「うわぁ、えらいこっちゃ。みんな焼けてしもうたがな…。ああ、こわいよう。どうしよう…どうしよう…。」
と大声でわめきたてました。
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