■ 選書方針

大阪狭山市立図書館資料選定基準

(趣旨)
第1条 この要領は、大阪狭山市立図書館資料収集規定に基づき、図書館の資 料選定にあたっての具体的な判断基準を定める。
(一般図書、参考図書選定基準)
第2条 一般図書、参考図書の選定基準は、次のとおりとする。
(1)一般図書は、市民の教養、調査研究、レクリェーションに資するため、 基礎的、入門的な図書から概説書、専門書まで各分野わたり幅広く収集す る。ただし、学習参考書、各種試験間題集は、原則として収集しない。
(2)参考図書は、市民の日常の調査研究に必要な事典、辞典、年鑑、図鑑、 人名事典、地図、年表、書誌、目録などを収集する。
(一般図書、参考図書選定の留意点)
第3条 前条の原則をふまえた上で、日本十進分類法による各分野の選定にあ たっての留意点は、次のとおりする。
(1)O類 総記
ア 技術革新が著しく、杜会的影響も大きい情報科学は、最新の情報を収集 するように努める。
イ 図書館に関する資料、書誌、目録等は、積極的に収集する。
ウ 市民に多様な本の世界を紹介したものは、積極的に収集する。
工 百科事典は、類書も含めて最新版に留意し、豊富に収集する。
オ 年鑑は、レファレンスに役立つものを収集する。
(2)1類 哲学・心理学・宗教
ア 哲学、心理学、宗教については、初学者のための入門書、概説書に留意 し、各分野の代表的原典を合めた基本書を体系的に収集する。
イ 超心理学、易占については、できる限り科学的な立場から記述された資 料を収集する。
(3)2類 歴史・伝記・地理
ア 歴史については、一般向けに書かれた歴史読物から入門書、概説書、研 究書、史料まで、多様なレベルのものを収集する。また、様々な歴史観に 立って書かれたものを広く収集する。
イ 伝記については、人名事典等レファレンスに役立つものを豊富に収集する。
ウ 地図、旅行案内については、最新版に留意し、正確な情報を提供できる ように努める。
(4)3類 社会科学
ア 杜会科学は、その時代性と深く結びついている分野なので、今日的主題
を重視し、入門書、概説書を中心に新鮮な資料を収集する。
イ 法律、経済、杜会、家庭教育、風俗習憤等、日常生活及び実務上に必要 な実用書、実務書は豊富に収集する。
ウ 社会評論は、様々な観点から書かれたものを広く収集する。
工 法律については、法律改正に留意し、新しい情報を提供できるように努 める。また、法令集、判例集は、広く収集する。
オ 社会保障、女性・高齢者問題、社会福祉等、社会的関心の高いものは、 積極的に収集する。
(5)4類 自然科学
ア 自然科学は、その進展が著しい分野なので、最新の情報を提供できるよ う留意する。
イ 自然科学の各分野は、非常に細分化・専門化されているので、個別分野 の専門的な学術書は、原則として収集しない。
ウ 図鑑等、レファレンスに役立つものは、豊富に収集する。
(6)5類 技術・工学・生活科学
ア 科学技術は、その進展が著しい分野なので、最新の情報を提供できるよ う留意する。
イ 極めて専門的な学術書は、原則として収集しない。
ウ 趣味や実用に役立つ資料は、豊富に収集する。
工 通信工学については、最新の情報に留意し収集する。
(7)6類 産業
ア 園芸やペットの飼い方等、趣味に役立つ資料は豊富に収集する。
イ ビジネスや産業経営に役立つ資料を収集する。
(8)7類 芸術
ア 市民の教養、趣味、娯楽に役立つ資料を鑑賞・研究と創作・実技等の両 面にわたり広く収集する。
イ 趣味として手がける人の多い分野については、入門書を中心に収集する。
また、ある程度上級の人の要望にこたえられるよう留意し収集する。
ウ 美術全集、画集、写真集等は、基本的なものを中心に収集する。ただし、 高価なものが多いので、利用度と価格のバランスに考慮する。
(9)8類 言語
ア 市民の教養、学習、実用に役立つ資料を収集する。
イ 辞典類は、基本的なものを中心に収集する。また、一部貸出しできるも のも用意する。
(10)9類 文学
ア 市民の利用が最も多い分野なので、豊富な資料を収集する。
イ 文学理論、文学史については、入門書、概説書を中心に収集する。
ウ 古典的作品は、文学史上評価の高い作品を中心に収集する。
エ 現代作家の作品は、受賞作品や話題性に留意し、広く収集する。
(11)漫画
ア テーマ、ストーリー、素材の扱い方等を検討し収集する。
イ 受賞作品や話題になった作品に留意し収集する。
(児童図書選定の留意点)
第5条 児童図書は、幼児から中学生まで、どの年齢の子どもにも読書の楽しみ を発見し継続できるように、それぞれの発達段階を考慮し、絵本、幼年文学、 児童文学、科学読物・実用書などを各分野にわたり幅広く収集する。ただし、 学習参考書、各種間題集は、原則として収集しない。
2 資料は、原則として子ども向けとして出版されたものを収集する。ただし、 大人向けに出版されていても、子ともが関心を持って読むことができるもの は、収集の対象とする。
3 受入れた本については、その後の子どもたちの利用状況や評価を見ながら 検討し、さらに資料選定に生かしていく。
(児童図書選定の留意点)
第5条 前条の原則をふまえた上で、各分野の選定にあたっての留意点は、次 のとおりとする。
(1)科学読物・参考図書・実用書
ア 自由研究、調べ学習に役立つものであること。
イ 写真や図版が豊富で、分かりやすく記述されていること。
ウ 新しい情報や研究成果に基づく内容であること。
工 趣味やスポーツ等の実用書については、入門書(鑑賞、実技、ルール等) から、やや高度なものまでを収集する。
オ 学習漫画については、主題・内容等を検討し収集する。
(2)絵本
ア 絵が見るものにうったえかける力を持っていること。
イ 絵がストーリーを語っていること。
ウ 絵と文が一体化されていること。
エ 様々な言語で書かれたものを必要に応じて収集する。
(3)文学
ア それぞれの発達段階を考慮し、どの年齢の子どもにもこたえれらるもの を収集する。
イ 古典から現代の作品まで、また、昔話・伝説、フィクション・ノンフィ クションまでの各ジャンルを幅広く収集する。
(逐次刊行物選定基準)
第6条 新聞は、国内発行の主要な日刊紙を中心に各種新聞を収集する。
収集するジャンルは、次のとおりとする。
(1)全国一般紙
(2)夕刊紙
(3)スポーツ紙
(4)南河内を中心としたミニコミ紙
(5)その他、経済、英字・政党機関紙・子ども向け新聞など
2 雑誌は、新鮮で豊富な情報が得られる資料なので、市民の暮らしや楽しみ に役立つもの、調査研究に役立つものを中心に、できる限り多くの種類の収 集に努める。
なお、海外で発行された雑誌についても収集する。ただし、漫画雑誌は、 原則として収集しない。
主要な収集分野は、次のとおりとする。
(1)総合雑誌
(2)出版情報に関する雑誌
(3)時事に関する雑誌
(4)文芸雑誌
(5)女性雑誌
(6)生活情報誌
(7)スポーツに関する雑誌
(8)レジャーに関する雑誌
(9)芸術に関する雑誌
(10)人文科学・杜会科学・自然科学の基本的な雑誌
(11)南河内を中心とした地域ミニコミ誌
(12)子ども向け雑誌
(郷土資料選定基準)
第7条 郷土を知り郷土に対する正確な認識を得るための資料は、地元の図書 館が責任をもって積極的に収集する必要がある。大阪狭山こ関連する資料や 大阪狭山で発行された資料は、地域的に限定されており、誰もがいつでも入 手できるとは限らないからである。
図書館は、歴史的・文化的資料から今日的な資料まで幅広く、また、他地 域資料も十分に視野に入れ、図書(活字本)、逐次刊行物(新聞・紀要・地域 ミニコミ誌、同人誌等)、行政資料、パンフレット・チラシなど、資料の種類 にも留意し収集する。
(視聴覚資料選定基準)
第8条 視聴覚資料は、活字以外のメディアによる情報伝達手段である。文字 言語によって得られにくい知識や情報をわかりやすく紹介しているものに留 意して、ビデオ・テープ、ビデオ・デイスク、オーデイオ・テープ、オーデ ィオ・ディスク等を収集する。また、視覚・聴覚障害者等の利用に供する資料 も収集する。
2 紙芝居は、印刷紙芝居だけでなく、街頭紙芝居や手づくり紙芝居について も収集する。
以下の点に留意し収集する。
(1)紙芝居は、絵を抜くときに動きを表すことができる。この性質を生か し、絵に動きのあるもの。
(2)絵と語りが調和しているもの。
(3)はっきりとした輪郭と色使いで、絵が遠くから見えるもの。
(4)脚本の場面割りに工夫がなされているもの。
(5)発想がおもしろいもの。
(障害者用資料選定基準)
第9条 視聴覚障害者等の利用に供するため、録音図書、点字資料、大型活字 本等を収集する。
(その他の資料選定基準)
第10条 パンフレット、リーフレット等は、必要に応じて収集する。
(複本)
第11条 複本の扱いについては、次のとおりとする。
(1)地域資料は、閲覧できるように冊数の確保に努める。
(2)評価の定まった図書や利用の多い分野については、常に書架に並べて おけるよう、図書館システム全体の中で必要な複本や類書を十分に用意する。
(3)資料を早く提供し利用者の信頼を高めるために、予約の集中する資料 (ベストセラーや話題の本)については、複本を早い時期に揃えるように 努める。