むかしむかし、滋賀県と福井県との県境にごさくという臆病な男が住んでいました。
ある晴れた日のこと、いつものようにごさくが山へ炭焼きにいくと、熊笹がガサガサと音をたて、間からヌゥーと赤黒く長い鼻のテングが顔を出しました。