次の日、村人たちがお寺に行ってみると、和尚さんがなにやら考え込んでいます。
「和尚さん、どうしはったんですか?
そんなに難しい顔をして。」
すると和尚さんは、
「実は、わしは朝と夕方の2回鐘をついているが、最近鐘の音が変な気がするんや。」
と言うのです。村人が
「変とはいったいどういうことですか。」
とたずねますと、和尚さんは、
「『食わん、食わん』つまり、『食べない。食べない』いうように聞こえるんや。今から鐘をつくから、みんな一度聞いてみてくれんか。」