伝平 もうそろそろ夜中時分かのう。ん?なんじゃ、あれはー。
〈誰かが村の方から走ってくる。松の木の下まで来て〉
男1 おーい。伝平どん、お前のお母が死んだから、はよう帰って来い。
〈と言って、すぐに帰って行く〉
伝平 お母が死んだ?おかしいぞ。あんなに元気であったお母が急に死ぬはずがない。何かの間違いにちがいない。