ものしり


★思子淵神伝説★
  しこぶちがみでんせつ
 高島市安曇川町中野の思子淵神社の祭神には、安曇川の筏師の職業神にまつわる伝説がある。思子淵神は安曇川上流の梅ノ木付近で筏を組み、息子を乗せていたら、流れの真ん中で止まるので、見ると金山淵の大岩に衝突し、河童が息子を引き摺り込んでいた。これを叱って息子を救い出し、さらに下流へ漕ぎ流した。ところが中野の赤壁の淵で、また河童が妨害した。思子淵神は立腹し、(すげ)の蓑笠を体に着け、香蒲(がま)()を脚にはき、辛夷の竿を手に持った筏師には、一切害を加えないことを誓わせた。以来、安曇川筋では七思子淵といい、七ヶ所の在所に思子淵神を祀った神社がある。
 参考図書
  • あど川の文化と先人たち
  • 安曇川町史