お初は家に帰ると裏口を閉め、座敷へ戻りました。まもなく長右衛門が刀を抜きかざして座敷に近づいてきました。お初は
「恐ろしや。見つかったらどうしよう」
とあかりを消し布団に入って身をひそめていました。