「これも両親が娘の私に不自由させたくない親心からそうさせるもの。一時も早く逃げていただかねば」
そう考えたお初はその夜忍び足で座敷にやってきて、蓮如を小声で呼び起こしました。
「お恥ずかしいことですが、私の両親は蓮如様の首を捕って比叡山から褒美をもらおうとたくらんでいます。ここにおられると命が危のうございます。私がご案内しますので早くお逃げください。」