むかしむかし ひとりの馬方がいました。
ある日のこと、馬方は、馬の背中にたくさんのしおさばをのせて、鯖街道を歩いていました。やまのなかの村へさばをうりにでかけるところです。峠にさしかかるころには、日も暮れて、やまみちは暗くなってきました。と、「馬方、馬方、さばをいっぴきおいてけ」と声がして、やまんばがでてきました。