市兵衛が料理屋の店先で拾ってきたのは、酒問屋天野屋の若旦那だった。彼は実家のツケで放蕩にしていたものの、実家がツケを支払わなくなり、店から追い出されたのだ(「あほぼん」)。訳ありの旅人達を癒す佐和の一弦琴の調べ。人情時代小説4編。