人生100年時代の到来により、人々はこれから「新しい生き方」を学び続ける必要があります。しかし、社会に出てからのほうが長い今、私たちはどこで、どのように学べばよいのでしょうか。新時代の図書館は、その答えを持っておかなくてはいけません。25年の時を経て生まれ変わったこの場所は、人々の考え方や価値を再構築する「学びの場」として役割を果たす使命があります。そして、私たちは今でこそ、その使命に挑戦するべきと考えています。
守口市立図書館館長 大名門 勇志
令和2年6月1日。これまで公立図書館がなかった大阪府守口市に初めて、図書館法に基づく図書館として「守口市立図書館」が開設されました。当初は、4月1日開館予定でしたが、コロナ禍の影響で、サービスを一部制限しての開館となりました。 令和元年(平成31年)4月、同地にあった「ムーブ21」生涯学習情報センターを閉館し、外観はそのままで、内部に大規模な改修を加え、地域の新たなランドマーク「守口市立図書館」としてリノベーションしました。
市の図書施設としてはこれまでも、平成5年開館の「ムーブ21」生涯学習情報センターと8カ所のコミュニティーセンター、文化センターに図書室がありました。合わせて約35万冊の図書資料を所蔵し、市民の皆様にご利用頂いてまいりました。
「ムーブ21」生涯学習情報センターの開館時には、生涯学習の分野など幅広い役割を持たせるため、あえて図書館法に基づく施設にしなかったという経緯がありました。新たに開設された「守口市立図書館」でも、「旧来の図書貸し出し施設というだけでなく、次世代につながる新しい機能を持たせた施設」として位置づけられています。
「守口市立図書館」は、図書館と生涯学習施設を併せ持つ、複合型公共施設(地上5階地下1階)となっています。
図書館エリアでは、1階子ども図書コーナー、2階一般図書コーナーを中心に、閲覧席や自習室を設け、読書が楽しめる居心地の良い空間としています。また、郷土資料展示室を併設し、守口市の郷土文化とも触れ合う機会を提供しています。
生涯学習フロアには、3階に会議室や防音スタジオ、4階には270名収容の多目的ホールに加え、新設の円形ホール(150名収容)を設け、市民の皆さんが多様な生涯学習活動を行うことができます。
また、1階玄関入ってすぐの大きな吹き抜けホールは、約50席の飲食可能な交流スペースとしており、カフェ販売コーナー(将来はパンも販売予定)を設け、市民の皆さんがくつろげる交流の場としています。
この図書館では、すべての資料にICタグを貼付し、自動貸出機、自動返却機やセルフ予約図書コーナーを設け、業務の自動化を図っています。また、読書通帳機を設置し、子ども達の読書推進を図っています。さらに、全館フリーWi-Fi環境を整備し、スマホや持ち込みPCを利用した学びを支援しています。
「守口市立図書館」は、赤ちゃんからお年寄りまで多世代の方々にご利用いただき、市民の皆さんが「集い・学び・交流する」滞在型の公共図書館を目指しています。