滝川弥九郎は甲賀忍びの末裔。かつて、戦国の世では活躍するも、今や日がな一日、江戸城の警護をするために番所に座っているだけ。忍びの技は伝えられているが、それで何かをなす機会もなく…。『小説現代』連載を単行本化。