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管理番号 252
質問 Question (1)徳富蘆花の『不如帰』の第100版目は、どの出版社から出されたものか知りたい。
(2)徳富蘆花が出版する前に、他の人物が『不如帰』を出版していないか知りたい。

回答 Answer (1)徳富蘆花の『不如帰』は明治31年(1898)年~32(1899)年に「国民新聞」で連載されていた蘆花の出世作。明治33(1900)年1月、大幅に改稿した『不如帰』を民友社より刊行。
『不如帰』の第100版目は明治42(1909)年3月20日に民友社から出版されている。
(2)明治31(1898)年以前に『不如帰』が出版されていたという事実は確認できなかった。

回答プロセス (1)水口図書館所蔵の『不如帰』を確認⇒冒頭に「第百版不如帰の巻首に」から始まる徳富蘆花の前書きあり。明治42年2月2日という日付の記載もあることから、第100版が明治42(1909)年に出版されたものと推測。
⇒NDLサーチで全国の公共図書館の中で第100版の『不如帰』を所蔵している図書館を検索。(タイトル『不如帰』 出版年「明治42(1909年)」)
⇒神奈川県立図書館が所蔵。奥付を確認してもらうと、「100版」という版表示とともに、明治42年3月20日民友社発行と記載されていた。
(2)NDLサーチで明治31年以前に『不如帰』という同タイトルの資料の情報があるか検索
⇒該当資料なし。
『弟 徳富蘆花』(p100~101)に「蘆花弟には一の大いなる獲物を与へた。それは『不如帰』の著作である。(中略)それを蘆花弟が耳聡く聴取り、小説化したのが即ち『不如帰』である。」との記述があることから、『不如帰』は徳富蘆花のオリジナル作品であることが推測できる。

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調査に利用した資料
111282315 弟徳富蘆花 徳富 蘇峰/著 東京:中央公論新社 p100~101、p198~199
110059029 日本文学全集 6 東京:集英社 p441~444
110677846 不如帰 徳富 蘆花/作 東京:岩波書店 p3~4
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