事例詳細
管理番号 109
質問 Question 掛け軸の書の意味が知りたい。漢詩だと思われる。「帰心常共知帰不相隨彼此無依倍東西入別離山雲会雨潤江樹逆湖歌美(莫)戀決樵與人生各有為」と見える。

回答 Answer 唐の詩集『三体詩』に所収されている李頻(りひん)の「送喩坦之帰睦州」という五言律詩です。
正しくは
帰心常共知 帰路不相隨 彼此無依倚 東西又別離
山雲含雨潤 江樹逆潮敧 莫戀漁樵興 人生各有為
と書き、同郷の喩坦之(ゆたんし)が落第し睦州に帰るのを送った歌です。
詳しい解説は『三体詩 下』村上哲見著に掲載されています。

回答プロセス 漢詩の事典・便覧などの語句索引で「帰心」「東西」「人生」などの単語から検索
→『中国古典名言事典』により『三体詩』所収の李頻の五言律詩と判明
上記の記述では詩の一部分のみだったため、『唐詩選三体詩総合索引』(1991、禅文化研究所)で調査
→『三体詩』の巻三、五言律詩の章に掲載と判明

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調査に利用した資料
110349370 中国古典名言事典 諸橋 轍次/著 東京:講談社 p492
700021165 三体詩 下 村上 哲見/著 東京:朝日新聞社 p201-202
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