しんそこ惚れた男に身請けされるなんてことがあるものだろうか。亀清楼の生駒太夫は我が身の果報に身体の震えが止まらなかった。月島の上に昇る見事な月の下で、時次郎との暮らしをあれこれ夢見てミノの胸は膨らんだ。―月島慕情より―