入婿が藩の公金に手を付けた上、新吉原の女郎を身請けして逐電。お家を保つために御留守居役が出した名案は「腹を切れ」-。二百六十余年の太平で、武士の本義が薄れてきた幕末から維新にかけてを舞台に描く侍たちの物語。