蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。5体目の標本は完成したが、再び飢餓感が膨れ上がる。幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映り…。
「聖職者」で小説推理新人賞、「告白」で本屋大賞、「ユートピア」で山本周五郎賞受賞。