平安時代末期に成立した「とりかえばや物語」は、内気で女性的な若君と、男性的で快活な姫君が、それぞれ女装し、男装して生きていくことで展開する王朝物語である。その複雑な愛情表現や心理描写は、現代にも通じるおもしろさがある。